‘絵本:どこいったん’ タグのついている記事

絵本読んで!

絵本:どこいったん

「どこいったん」
作:ジョン・クラッセン
訳:長谷川 義史
出版社:クレヨンハウス

ひまわり組のお友だちと一緒に、どこいったん?

「ぼくのぼうし、どこいったん?」
大切な帽子をなくしたくまさんが、帽子を探してみんなにたずねてまわるお話です。
大事なものをなくした悲しい思いをくまさんを通して感じられる展開に、思わず「あるある」と思ってしまいます。
ジョン・クラッセンさんの絵もシンプルです。
登場人物の表情が乏しく、ちょっとシュールな感じに受け取れます。
お話は、ご自身も独特のタッチの絵で絵本を書かれている長谷川 義史さんが関西弁で翻訳しています。
関西弁である賛否はありますが、個人的にはお話を上手く方言にしていると思います。
無理なく読めて、面白いお話です。

さて、ひまわり組のお友だち。
帽子を探すシーン、思い出すシーンでは、くまさんと一緒に「あ!あそこにあった!」と帽子を見つけていました。
なくした帽子が見つかってよかった~と一安心。

と、読み終えて、裏表紙を見せると、そこには原っぱに落ちている帽子の絵。
それをみた子どもが、
「あ!帽子落しとう!」
「こんなところにあるやん!」
という声。
ほんまやなぁ。くまさん、また落としとうなぁ。
と、裏表紙まで続いている絵本の構成をちゃんと見抜いている子どもたちの目には驚きました。

さて、この絵本。
無表情なシュールな絵柄には理由があって、実はよくよく読むとちょっぴりブラックで驚くお話なのです。
原書を読めばよく分かるのですが、その驚きも長谷川さんの関西弁で訳された文章では絶妙に隠されていて秀逸です。
本当のことをすべてあいまいにして終わるお話。
あえてここにはその驚きの展開を書きませんが、絵本なのに大人が読んでもビックリするお話でした。

でも、子どもたちにはそんな意図的に匂わされたストーリーは全く通じないようです。
くまさん帽子落としてないかなぁ?
それが子どもの素直な心なのでしょう。