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絵本:ぶすのつぼ

img127「ぶすのつぼ」
日本の昔話
再話:日野 十成
絵:本間 利依
出版社:福音館書店

すずらん組のお友だちと一緒に、あおげあおげ、あおぐぞあおぐぞ。
美味しい水あめを独り占めしようとする和尚さんとそれを全部食べてしまった小僧さんの面白い知恵比べのお話です。
「これは毒だから食べるなよ」と言われた怪しいつぼ。
それを水あめと見破った小僧さんは、和尚さんの留守の間につぼの中身を全部食べてしまいます。
さあ、和尚さんに見つかったら叱られます。大変!
でも悪知恵のはたらく小僧さんはとてもうまい言い訳を考えます。

このお話は狂言「附子」で有名なお話です。
私が小学校のころ、国語の教科書に載っていたのを覚えています。
「あおげあおげ」「あおぐぞあおぐぞ」「そおれ!」
小僧さんがぶすのつぼを取り出し、ふたを開け、食べてみる場面での狂言としての表現がとてもユーモアで今でも記憶に残っています。
この絵本でもその場面の表現が再現されています。
本間利依さんの昔風の味のある版画もとても素敵で、落ち着いた調子で描かれた世界は表情も面白く、お話と一体となって場面を描いています。

さて、すずらん組のお友だち。
最初から最後まで、お話をじっと聞き入っていました。
この絵本は普段よく読む物語的なお話とは少し違い、和尚のたくらみを知った上で小僧の悪知恵を読み取る難しさがあるお話し。
受身で聞くだけでは楽しさが半減してしまう構成と、とんちの利いたお話にちょっと戸惑っている様でした。
読み終わってから少し間があり、お話を頭の中で整理している様子の子どもたち。
でもしばらくすると
「和尚がずるいこと考えとったんやから(水あめを食べられたのは)しょうがない」
「こぞうさんはうまいことやったなぁー」
と、お話の面白さのポイントをちゃんと感じているようでした。
お友達に説明までしてくれる子もいました。
難しいなりに気付いて分かる楽しさ。
絵本の中に見つけることができたようです。